設計力について

設計を進めるに当たっては、「理論的な根拠+実験による確認」をもって内容を決めていくのが基本的な進め方と思います。
ところが、理論的な考察を省いて評価実験の結果で設計値を決めたり、シミュレーションツールの結果を鵜呑みにして設計値を決めたりすることを見かけます。品質保証上は問題がありますし、何よりも設計者自身が気持ち悪くないか?とも思えます。
理論的な考察には設計者自身の知見が必要で、例えばメカトロ分野では材料力学や電磁気、電子回路、統計などの知識が必要になってきます。理論的な考察をスキップする要因は工数不足もありますが、基礎力の不足があるのではとも思えます。

基礎力のなかでも、機械設計者としてはベースである「材料力学」について押さえておくことが、まずは必要ではないかと思います。私の周囲でも材料力学が得意でない人が多々おられますが、その原因は高校物理の完全理解ができておらず、そのためのつまずきではないかと分析しています。なぜなら材料力学は大学物理で学ぶようなベクトル解析や特殊関数は不要であり、大部分は高校物理の知識の応用とみられるからです。
現在、そのような技術者のため「高校物理から学びなおすことで材料力学基礎の完全習得」ができないか、勉強会の企画を考えています。

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