SENSOR EXPO2023 展示会情報2

9/15(金)、東京ビッグサイトで行われた展示会。注目の技術情報 Part2です。

【磁気センサ】

●企業名:愛知製鋼  ●製品:MIセンサ
●解説

愛知製鋼は古くから名古屋大学毛利教授とMIセンサを開発してきている。MIセンサとは高周波電流をアモルファスワイヤに流しておき外部磁界がかかった時の磁気ベクトルの変化を敏感に検出するものである。
nTレベルの磁気検出ができ、非常に高感度なため脳磁図や心磁図など応用も期待されている。展示提案されていたものは、工程内の金属異物検知や磁気マーカ検出、Liバッテリショート検知などであった。

展示新製品 高感度シリーズ Type DJ(下線部は愛知製鋼様の文を引用)

MIセンサの中で最高の磁気分解能(検出力)をもつセンサです。地磁気の1/50000のnTオーダーの磁界変化を検出可能です。地磁気のような静磁界信号成分を除去し、交流信号のみを検出します。
50μmオーダの鉄系微小金属の検知が可能で、食品、アパレル製品、リチウムイオン電池用材料や非磁性の工業製品の鉄系異物検知として活用できます。

【主な仕様】
・磁気変動検出範囲・・・160μTp-p
・感度      ・・・0.16V/μT
・周波数応答性  ・・・DC~10kHz@-3dB
・直線性     ・・・0.1%以下

【磁気センサ】

●企業名:縁屋電気(メーカCROCUS)  ●製品:TMR電流センサ
●解説

CROCUS社製TMRで電流センサのアプリケーションを展示していた。高感度でヒステリシスの小さいTMRの特徴を生かした電流検知が可能。
ただそのままではTMRは磁界に対し直線変化ではないため(詳細な説明は聞けなかったが)おそらく固定層にバイアスをかけて感度を鈍くし、中心付近の直線特性を生かして仕様していると思われる。
CROCUSはホールIC大手で車載実績豊富なAllegroと合併予定であり、車載認定取得し、車載用に拡販を計画するものと思われる。世界的にはTDKが先行しているため、どうやって優位性をだしていくかが注目点。

※TMRとは
トンネル効果磁気抵抗素子。素子面に平行な磁界が加わると抵抗値が大きく変わる。AMR(強磁性体磁気抵抗素子)の抵抗変化が2%程度であるのに対しTMRは70%以上変化可能なため、SN比が有利であり、後段の増幅回路が不要な場合もある。

【温度センサ】

●企業名:トーキン(メーカYAGEO)  ●製品:白金温度センサ
●解説

(株)トーキンはKEMNETと統合し、KEMNETはYAGEOの子会社となる。チップコンデンサ、抵抗などで車載実績がある。
温度センサは白金抵抗体で温度直線性が最も良い。
特に方式としての新規性はないが、米粒ほどの小型なものから各種サイズや温度範囲によりバリエーションを揃えている。
サーミスタや熱電対より高価であるが精度を求める場合は選択肢となる

【FA関連センサ】

●企業名:ケーメックスオートメーション 
●製品:静電容量センサ
●解説

ケーメックスは設備向けの商社である。
ドイツ、レヒナー社の製品で静電容量原理の液面レベルセンサである。液面センサでは測定する材質が変わっても誘電率を校正しなくても液面の検出が可能である。誘電率をセンサ先端部で別に検出しそれをフィードバックし補正をかけているそう。

●製品:光電センサ
●解説

製品の有無を検知するフォトインタラプタ。
アルミコートされたポリパッケージを透過する
赤外光?を使用しており、アルミコート包装内に製品が入ったかどうかが判別可能。原理については把握していないもよう。
反射型のセンサの特徴は、紙のような薄い物体でも検知可能である。反射光の光量に閾値を設けることができるためとのこと。