2025オートモーティブ ワールド レポート
2025年1月23日、東京ビッグサイトで行われた展示会。各ブースをまわりました。センサに関する情報をピックアップします。
【企業名:サンコール】
●製品:電流センサ
【解説】一見シャント抵抗式であるが、シャント抵抗式に磁気センサTMRを合体したハイブリッド型
磁気ノイズに不感なシャントと温度変化に強い磁気式の長短所を兼ね備える。
どういう使い分けをするのか、というところが着眼になる
TMRの得意なクロッカスとやっていたそうだが、クロッカスはアレグロに吸収されたのでアレグロのロゴを使っているもよう
【企業名:スミダ株式会社】
●製品:インダクティブ角度センサ
【解説】渦電流を使いロータ交差面積による誘導コイルのインダクタンス変化を用いたもの。原理は昔からあり、欧州カーメーカには一部採用されている。軸周検知が可能なのでレゾルバ置換えをねらっていそうだが、全くの互換をカーメーカから迫られると苦しいところだろう。
展示品はロータ形状から見てオンオフタイプである。
【企業名:藤倉コンポジット株式会社】
●製品:バッテリレス液体検知テープセンサ
【解説】マグネシウム電池の応用。電極に水が付くと、電池になり発電する。
【企業名:マグネプロスト】
●製品:各種磁石、各種磁性体コア
【解説】今や国内磁石メーカがコスト競争にさらされるなか、日本経営+中国工場で品質とコストの両立が可能という貴重な存在。
技術知見もありサポートも充実とのこと。国内有名メーカ向けに勉強会を主催したこともあるそう。
●企業名:ミヤマ電気
●製品:自動車用各種スイッチ
【解説】ペダル用のクラッチスイッチやストップランプスイッチなど車載スイッチ、ATニュートラルスイッチやリバーススイッチなど多数扱う。いずれも車両制御に関わり高い信頼性が求められる。
いずれも接触式と非接触(ホール式)などバリエーションがある。
【企業名:日本合成】
●製品:低誘電率ポリウレタンポッティング材
【解説】通常比誘電率4~5のポリウレタンだが2.2まで低数値化したもの。
高誘電率は電波損失の影響があるとのことであるが、センサ内部ポッティングするような場合など、
高周波回路部分で寄生容量となることを軽減できることも期待できる。
【企業名:東和電気】
●製品:無はんだ マグネットワイヤ端子
【解説】端子にマグネットワイヤを通すだけで、被膜剥きと圧着を同時に行う、工数低減策。
基板のプレスフィットと同じ思想と思われる。
プレスフィットと同様、実力はあるそうだが、信頼性の見極め(試験と実績)が今後の展開上の課題と思われる。モータ、ソレノイドレベルの太さに適合だそう
【企業名:コスモ計器】
●製品:差圧式エアリークテスタ
【解説】前から知っていましたが、解説します。
左右の圧力室があり、マスタ側に正規品、測定側に検査ワークを置いて、同時圧力加圧した後、左右の微差圧を計測することでワークの機密性を測定する装置。わずかな機密漏れも許されない自動車センサなどの検査が可能。
私も30年前の旧式を使っていました。精密なので温度変化にも注意が必要。
コスモ計器はフクダと並ぶ有名メーカ。
大容積のワークは苦手なはずだが、EVバッテリ対応もできるそうだ。
【NIO ET5分解展示】
中国EVのNIO ET5の主に主機モータと周辺の制御機器を分解展示していた。エンジニアと思しき人々(私も含み)が熱心に観察していた。
●製品:電流センサ
【解説】内部構造は見えないが、バスバーと内部部品(ホールとコアと電子回路)をまるっとポッティングで固めている。構造設計的には工夫はない。
●製品:レゾルバ
TSY1030と読めるので、多摩川精機のVRタイプSinglsynである。
品番から4Xではないかと推定する