以上記載しましたが、FMEAを行うと次のような効果があります。
1.開発初期から行うことで、製品の方向性、システムとのマッチングが確認でき、柔らかい段階での方針見直しや設計の大幅修正、システム側の変更が可能となり、高い品質の製品開発につながっていく。
2.製品開発とともにFMEAを進化させ、検討活動に生技、品質、製造部門や 営業、調達部門も巻き込んで行うことで、生産準備や品質体制の整備が行われていき、スムーズなラインオフが可能となる。また量産後も製造不具合、市場不具合とも少ない安定した工程となる。
3.ベース製品でFMEAをしっかり作っておくと、派生類似製品の開発での参照となり、スムーズで工数のかからない開発ができる。
4.得意先システムメーカなどと技術協議するときに信頼が得られる。技術的なレベルもFMEA内容を見るとわかります。
よくある失敗として、
「IATFなどの解説書に縛られ、膨大な工数がかかり頓挫してしまうこと」 や、
「要点が理解できずFMEAの体をなさない。使えない。」
などが多くみられます。
得意先の立場でメーカにFMEAの提出を要求した場合、メーカに経験がないと「見るに堪えないFMEA」が作成され、呆然とさせられることがあります。
何度修正を指示してもできないと、技術的に×をつけることになります。設計保証ができていないメーカと心中したい人はいません。
以上、解説事項を参考にしていただき、設計品質保証できるFMEAを作成していただければ ありがたいです。
※なお、FMEAの作成など設計保証活動に支援が必要な場合は、岩瀬技術士事務所にご相談ください⇒「お問合せ」より