⑸半導体MR
【原理】InSbなどの半導体薄膜を真空蒸着で作成する。素子面に対し垂直な磁界の成分のみに反応し、磁界の強さとともに抵抗値が増加するが、磁界の正負の区別はない。

【用途】回転センサ、紙幣鑑別、フロートSW
【特徴】
・長所;素子感度は強磁性体MRより高く、高感度な検出が可能
・短所;素子抵抗の温度係数が大きいので温度環境の厳しい場合は要注意。自動車用センサとしてはあまり使われない。

⑹GMR(Giant Magneto Resistance)
【原理】2つの強磁性層の間に銅などの導電性非磁性層で隔離した構造で、一方は磁気方向をそろえた強磁性固定層、もう一方は磁化方向が自由なフリー層となっている。外部磁界によりフリー層の磁化方向が回転すると電気抵抗が変化する。

【用途】磁気ヘッド、回転センサ、角度センサ、
【特徴】
・長所;磁気抵抗変化が5~20%とAMRより大きくSN比がよい。素子に水平な磁界の検出が可能。正負が判別できる。
・短所;強力な外部磁界(≒200mT)をかけると固定層の磁化がずれ、性能劣化を起こす。

⑹TMR(Tunnel Magneto Resistance)
【原理】GMRと似た構造で固定層とフリー層の磁性体薄膜の間に導電層ではなく数nmの薄い絶縁層がサンドイッチされている。外部磁界によりフリー層の磁化方向が回転すると、抵抗変化するのも同様であるが、電流の流れ方は素子に面直な方向で流れる。電子は絶縁層をトンネル効果により通過する。

【用途】磁気ヘッド、角度センサ、電流センサ
【特徴】
・長所;磁気抵抗変化が70%以上と非常に大きいため、後段の増幅を省略できる可能性がある。他の特性はGMRと同様である。
・短所;強力な外部磁界(200mT)をかけると固定層の磁化がずれ性能劣化を起こす。

 ⑵ 各種磁気センサの原理と特徴 その③