FMEAを作成し設計不具合を予想しつつ改善をしていくのは必要であるが、手引書などに正直に従って行うと往々にして「工数がかかり、やっていられない」ことになり、実施を避けてしまうことがありがちである。私は多少の手順は省略しながら、本質は外さず実施するように心がけてきた。ここでは多少自己流ではあるが何とかFMEAがやれるよう紹介していく。正式なやり方は別途参照し確認しておくことをお勧めする。
STEP1)事前準備
製品の機能や構造を理解、整理したうえで、「信頼性ブロック図」というものを作っておく。正式には「機能展開」や「機能のダイヤグラム」「構造展開」など複数の展開チャートを作成することになっているが、ブロック図は1つだけで何とかなる。
【信頼性ブロック図】
構想図をポンチ絵で表現する。
①部品、Sub-Assyの接合や位置関係がわかるよう表現する。
②信号の流れを表現する
③各構成品の機能を書き連ねる。
STEP2)各構成品の故障モードと要因をあげる
手順書によれば、信頼性ブロック図を作成した後、ワークシートを作り「構成品ごとに故障モードと要因の洗い出し」を行う。これができれば一番よいが、工数もかかるので頭の中にあるものをメモ程度でまとめておくとよいかと思う。FMEA表に記入するときの準備になる。例えば
●部品名:○○検出素子
⇒機能:○○を受け正確なトレースをして××に変換する
⇒故障モード:出力電圧が不安定
⇒要因:①回路電圧(外力、温度変化・・)
といった具合で、表でもメモでもよい。